
長期優良住宅は認定取得することで、住宅ローン控除や補助金の利用など住宅購入者が得られるメリットが多数ありますので、住宅会社から住宅購入検討者に提案することで成約率向上にも繋がります。
しかし、申請にかかる手間や着工までの期間が延びるなどの理由から申請をしていない企業様も多いのではないでしょうか。
また認定取得には太陽光発電の導入が必須のものもありますが、太陽光発電を導入する場合には追加費用が発生しますので申請ハードルが高まります。
今回は、長期優良住宅の認定取得に太陽光発電の導入が必要なのかや、申請にかかる工数削減のために安く外注する方法をご紹介します。
長期優良住宅の認定取得に太陽光発電の導入は必要?
結論、長期優良住宅の認定取得に太陽光発電の導入は必要ありません。
ソーラーパネルの設置は初期費用がかかることに加えて、日本の売電価格は年々下降傾向にあり、2010年に48円/kWだったのが2013年には38円/kW、2022年には17円にまで下降していますので、売電で利益を出すのが難しくなっています。
これらの理由から太陽光発電の導入がハードルになり、申請を躊躇っている住宅購入検討者には長期優良住宅の申請がおすすめです。
また、売電価格が下がってきているため太陽光発電を設置することで得られるメリットは少なくなってきていますが、今話題の電気料金の高騰が今後も継続する場合には、発電した電気を利用することにより電気代高騰の影響を受けない太陽光発電の導入はメリットではないでしょうか。
長期優良住宅の認定取得に太陽光発電を必ずしも導入する必要はないということであり、太陽光発電を導入したとしても認定の取得は可能です。
長期優良住宅の認定基準
長期優良住宅として認定を受けるには下記の条件を満たしている必要があります。
・長期にわたり良好な状態で使用するための構造
・設備が備わっていること
・居住環境への配慮が行われていること
・一定面積以上の住戸面積を有していること
・維持保全の期間
・計画を定めていること
そして、これらの条件をみたしているかどうかは、下記の9項目で判断されます。
・劣化対策
住宅性能評価において劣化対策等級3の認定を受けている、かつ構造の種類に応じた措置が行われている。
・耐震性
耐震等級3以上、または免震建築物である。
・省エネルギー対策
住宅性能評価で 断熱等性能等級5以上 (UA値、ηAc値、結露対策)かつ一次エネルギー対策等級6の認定を受けている。
・維持管理、更新の容易性
耐用年数が短い内装の掃除や点検を容易に行える措置を講じていること。
・バリアフリー性(共同住宅等のみ)
将来的にバリアフリー工事に対応できる広さや構造であるかが認定基準になります。
・可変性(共同住宅等のみ)
居住者のライフスタイルの変化に応じて、間取りの変更が可能な措置が講じられていること。
・住戸面積
良好な居住水準を確保するために必要な居住面積を有していること。
・居住環境
景観や騒音の問題が生じず、地域に調和した住宅であること。
・維持保全計画
住宅の構造体力上主要と考えられる部分や雨水の浸入を防止する部分、給水や排水の設備の点検・補修に関する計画を事前に策定されていること。
長期優良住宅のメリット
【メリット1】住宅ローン控除での優遇
長期優良住宅では、住宅ローン控除の最大控除額が一般の住宅よりも増えます。
住宅ローン控除は、年末時点のローン残高の0.7%が所得税から最大で13年間控除される制度です。
これは2022年度の税制改正により、適用期限が延長されて2025年までに入居した方に適用されます。
また住宅ローンの控除の最大控除額は、新築と中古、そして住宅性能よって違いがあります。
令和6年~7年までに入居した場合、新築の長期優良住宅の借入限度額は4,500万円、一般の新築住宅の借入限度額が3,000万円で、それぞれ控除期間は最大で13年です。
仮に上限まで住宅ローンを借りて、それぞれ13年間で返済した場合の控除額は、
・新築の長期優良住宅:409.5万円
・一般の新築住宅:273万円
上記の通りで、新築の長期優良住宅の方が控除額が136.5万円も多くなります。
【メリット2】投資型減税を受けられる
投資型減税とは、住宅ローンを利用せずに自己資金だけで住宅を購入した場合、長期優良住宅へ性能強化するためにかかった費用(上限650万円)の10%を所得税から控除することができる制度です。
なお、投資型減税は住宅ローン控除との併用はできません。
【メリット3】不動産取得税が減税される
長期優良住宅では、不動産を購入した際にかかる不動産取得税の控除額が、一般住宅の控除額は1,200万円に対し、長期優良住宅は1,300万円というように一般住宅より多くなります。
【メリット4】登録免許税の税率が引き下げられる
住宅の建築や購入をした際の、所有権保存登記や所有権移転登記にかかる登録免許税の税率は下記のように異なり、一般住宅よりも長期優良住宅の方が税率が低くなります。
・所有権保存登記の税率:一般住宅0.15%に対して、長期優良住宅は0.1%
・所有権移転登記の税率:一般住宅0.3%に対して、長期優良住宅は一戸建ての場合0.2%、マンションの場合0.1%
【メリット5】固定資産税の減税期間延長
新築住宅には、固定資産税の優遇措置があり、本則の税率の1/2に減税されますが、長期優良住宅の場合は期間が延長されます。
一般住宅は一戸建てで3年間、マンションなどで5年間。 長期優良住宅の場合、一戸建てが5年間、マンションは7年間が減税期間です。
【メリット6】地震保険料が割引になる
長期優良住宅は地震保険料の保険料割引対象ですので、耐震等級2の場合は地震保険料の30%割引、耐震等級3の場合は50%割引を受けることができます。
【メリット7】低金利で住宅ローンを組める
フラット35を利用する場合、長期優良住宅だとフラット35S(金利Aタイプ)という金利優遇を受けることができ、フラット35維持保全型を併用すると、当初5年間は年0.5%、6~10年目は年0.25%も金利が引き下げられます。
【メリット8】地域型住宅グリーン化事業
地域型住宅グリーン化事業とは、国土交通省の採択を受けたグループ(工務店など)が建てる省エネルギー性能や耐久性能等に優れた木造住宅を対象に補助金が交付される制度です。
令和5年(2023年度)も、地域型住宅グリーン化事業は継続的に実施されます。
2023年の内容についてはまだ発表されていませんので、2022年の補助額や条件等を下記にてご紹介します。
地域型住宅グリーン化事業の対象・補助額 | |
補助対象・補助限度額 | ・長期優良住宅 :140万円 ・高度省エネ型(認定低炭素住宅):90万円 ・ゼロエネルギー住宅(ZEH):150万円 |
加算措置 | ①地域住文化加算:20万円 ②地域材加算:20万円 ③三世代同居 / 若者・子育て世代加算:30万円 ④バリアフリー加算:30万円 |
【メリット9】こどもエコすまい支援事業
こどもエコすまい支援事業は、2022年11月28日に申請受付終了となった「こどもみらい住宅支援事業」に引き続き、2023年から本格実施される補助金制度です。
こどもみらい住宅支援事業と同じく、補助対象者は子育て・若者世代ですが、住宅の要件はZEHレベルと前回よりも厳しくなっております。
長期優良住宅の認定を取得すると、100万円/戸の補助金が支給されます。
対象者や条件など、詳しくは下記をご確認ください。
こどもエコすまい支援事業の対象・条件等(新築注文住宅) | |
対象世帯 | ・子育て世帯 ・夫婦のどちらかが39歳以下の若者夫婦世帯 |
対象住宅 | 延床面積が50平米以上の以下の住宅 ・ZEH ・Nearly ZEH ・ZEH Ready ・ZEH Oriented ・令和4年10月1日以降に認定申請をした認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、性能向上計画認定住宅 |
対象期間 | ・契約日は問わない ・以下の期限までに住宅の引渡しと入居を行い、完了報告を提出 |
補助額 | 100万円/1戸 |
長期優良住宅の申請を相場の半額程度で外注する方法とは?
弊社(株式会社Joh Abroad)はベトナムにCADセンターを設立し、図面の作成業務だけでなく、費用相場の半額程度で長期優良住宅などの申請サポートもさせていただいております。
弊社のベトナムCADセンターには、2005年に19歳で来日してから秋田大学で建設を学び、日本の企業に就職するという17年間の建設業界のキャリアがあるマネージャーを筆頭に、日本の建設会社で4~12年間エンジニアや現場監督としてキャリアのあるメンバー達が在籍しております。
長期優良住宅などの申請を担当するメンバー達は日本の住宅会社から年間1,000件の構造計算などを行っており、日本語での会話は勿論、ビジネスレベルでメールのやりとりが可能です。
建設業界では人手不足により、ゼネコンや設計事務所、地域工務店などにおいて本来、設計などクリエイティブな業務に作業工数を割くべき人材が図面起こしなどに時間を取られて、本来メイン業務となる作業工数が足りなくなるという問題も起こっていますので、申請業務は自社では対応できない会社様も多いと考えています。
自社メンバーの工数削減のために申請業務を外注したいが、外注コストは可能な限り減らしたいという企業様には海外への外注がおすすめです。
また低炭素住宅とは異なり、長期優良住宅は太陽光発電を設置せずとも認定を取得することができますので、太陽光発電の設置がハードルであるという住宅購入者様には長期優良住宅の申請をおすすめしたいと考えています。
長期優良住宅の申請代行費用はこちら⇩
【料金表付き】長期優良住宅の申請代行費用の料金相場~構造計算含めて申請サポートするには?~
(株)Joh Abroadの申請代行サービスについて⇩
住宅の各種申請代行サポート|長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH・BELS・設計性能評価
(株)Joh Abroadでは、建設・住宅業界のYouTube・Instagramによる集客支援(ホームページを検索結果の1ページ目に表示させる)やベトナム人人材(外国人技能実習生、特定技能、エンジニア)の紹介、ベトナム人の免許取得支援、ベトナムCADセンターでのCAD図面作成代行サービス、外国人労働者の脱退一時金申請代行(納付した年金の返還請求)を行っております。