株式会社Joh Abroadの中里貫太です。
新型コロナウイルス感染症は2019年12月初旬に、中国の武漢市で第1例目の感染者が報告されてから数カ月の間に日本でも流行し始めました。
これにより外国人の日本への渡航が制限された為、厚生労働省が発表した2021年(令和3年)の「外国人雇用状況」の届出状況まとめを見ると、在留資格によっては減少傾向にありますが、外国人労働者の総数は毎年増加し続けています。
また2021年における外国人労働者数は172万7,221人で、2017年からの4年間で約45万人も増加しているのです。
新型コロナウイルス感染症が収束し渡航制限がなくなれば、今後、外国人労働者は益々増えていくでしょう。
出典:厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況表一覧(令和3年10月末現在)
外国人労働者が増加している理由
留学生アルバイト
日本政府が2008年7月29日に「留学生30万人計画」を発表し、留学生のビザが緩和されたことがきっかけとなり、中国やベトナムをはじめとしたアジア諸国、他にも多くの外国人が留学生として来日しました。
計画達成のため、留学生が日本で学ぶための日本語教育機関、留学生の受け入れ体制が整った専門学校や大学が増えてきたことで、外国人が日本に留学するメリットも大きくなったのです。
2019年には計画が達成され、日本は31万人以上の留学生を受け入れました。 ヨーロッパ諸国などの留学生はアルバイトが禁止、時間制限されていますが、日本では資格外活動を申請すれば留学生でも週28時間、休暇中は40時間アルバイトを行うことが可能です。
最近は、飲食店やコンビニに訪れると外国人が働いている光景をよく目にしますが、留学生が増えたことでアルバイトを行う外国人も多くなっています。
留学生の就労ビザ取得
留学生が大学・専門学校を卒業後に、「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザを取得して日本企業に就職するため、就労ビザ取得者が増えています。
在留資格「技術・人文知識・国際業務」の取得要件は下記であるため、大学・日本の専門学校を卒業している外国人であれば、卒業後は日本での就労が認められるのです。
在留資格「技術・人文知識・国際業務」の取得要件
外国人が「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得するには、下記の学歴要件または実務経験要件を満たしている必要があるのです。
また基本的には、学校で専攻した学問の知識を活かせる・10年以上の実務経験に関連性のある専門的な業務のみで就労が認められています。
①学歴要件
・大学(短大を含む)を卒業したもの 大学は日本、海外の大学どちらでも要件を満たします。
・専門学校を卒業したもの 専門学校の場合、日本国内の専門学校を卒業する必要があります。
②実務経験要件
・10年以上の実務経験があること
技能実習生の増加
外国人技能実習制度は、1960年代後半頃から海外の現地法人などの社員教育として行われていた研修制度を基に1993年に制度化されました。
制度の目的・趣旨としては、在留資格「技能実習」を取得した外国人に母国では習得困難な技能などを日本企業で習得してもらい、開発途上国への技術移転、開発途上国の経済発展を担う「人づくり」に寄与するという、国際協力の推進です。
ベトナムなどの東南アジア諸国を中心に多くの外国人が、日本の技術を学ぶため・お金を稼ぐことを目的に技能実習生として来日しています。
東南アジアなどの開発途上国は日本と賃金格差があるため、開発途上国の人材にとって技能実習制度の利用は「お金を稼ぐ」手段として適しているのです。
在留資格「特定技能」の新設
特定技能とは、2019年4月に創設された、日本国内で人手不足が深刻とされている特定産業分野(14業種)において、即戦力となる一定の専門性・技能を有した外国人が就労可能になる在留資格です。
日本は少子高齢化により、年々、若手人材の確保が難しくなっています。
人手不足が著しい特定産業分野の企業の「人材を確保したい」という期待に応える形で、特定技能制度が創設されました。 特定技能1号であれば下記14分野において、最大で5年間就労可能です。
特定技能2号の場合、建設業と造船・舶用工業の2分野でのみ就労可能で、在留期限に制限がないため、雇用する企業がなくならない限り、永年、日本で働くことが認められています。
特定技能1号の移行対象分野
介護 | ビルクリーニング | 素形材産業 |
産業機械製造業 | 電気電子情報関連産業 | 建設業 |
造船・舶用工業 | 自動車整備業 | 航空業 |
宿泊業 | 農業 | 漁業 |
飲食料品製造業 | 外食業 |
特定技能2号の移行対象分野
建設業 | 造船・舶用工業 |
まとめ
日本は少子高齢化により、求人募集を出しても人が来ず、人手不足に悩む業界が増えています。
これら業界の企業の中には、国内人材を確保できないが人件費も抑えたいため、外国人を安く雇うという結論に至る方もいらっしゃるかと思います。が、外国人の賃金も年々上がっており、特に外国人から人気のない建設業になると、雇用にかかる費用は日本人と変わらないというのが現状です。
外国人雇用には企業の皆さんが想定している以上の費用がかかる場合もありますが、求人募集を出しても人が来ない状況下にある今、外国人に頼るしか方法はありません。
人手不足に悩む業界の課題として、外国人雇用などで不足している人材を確保しつつ、同時に労働生産性を上げるための取り組みを行っていく必要があります。
(株)Joh Abroadの代表の福澤は、C・THE・S協同組合(監理団体)の代表理事も務めており、建設業をメインに様々な業界で外国人材を紹介させていただいております。
当組合では、求人募集を出しても人が来ない・日本人を雇用してもすぐに退職・転職されてしまうという企業に対して、他組合よりも多少高い費用を頂戴することになりますが、優秀な人材のご紹介が可能です。
また当組合は送り出し機関との高い連携力を誇る組合で、当組合事務所の同じビルには、送り出し機関(ベトナム)の関連企業であるアニーズ株式会社が入居しているため、連携が取りやすく、受け入れ企業様からのベトナム人人材を募集してほしいというご依頼やその他ご要望に、素早く対応できることが他にない特徴です。
建設業界は、就職先として日本人から人気がありませんが、技能実習生にとっても実習先としてあまり選択したくない職業です。そんな中、技能実習生を低賃金で募集すると能力の低い人材しか集まりませんし、転職されるリスクも高まります。
そのため、企業様には安く雇用するというよりもある程度の賃金を支払い、長期雇用することを優先に考えていただければと思います。
技能実習生受入れの流れ
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