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【改善方法4選】土木業界で人手不足が深刻化する原因|今後は外国人労働者受け入れが必須

株式会社Joh Abroadの中里貫太です。

土木業界では、人手不足が慢性的に続いており、需要に供給が追い付いていないことが問題視されています。

そして問題解決のため、若年技能者の確保と業務効率の改善が課題とされているのです。 本記事では、土木業界が人手不足に陥っている原因や、人材確保の方法、業務効率の改善について解説していきます。

土木業界における人手不足の原因とは

【原因①】入職率が悪い

土木業界の人材不足の理由として、入職率の悪さがあり、求人を出しても人が来ない状況下にあります。

厚生労働省の資料によると、2022年5月時点で、建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は5.77倍、土木の職業であれば5.66倍となっているのです。

介護職も、土木などの建設業と同様に人手不足が問題視されていますが、介護職の有効求人倍率は3.00倍で、土木の入職率の低さが深刻であると見て取れます。

若年層が土木の職業に対して抱くイメージが、「きつい・汚い・危険」の3Kです。砂埃などが多く汚れる場所で長時間の肉体労働や、危険のある高所での作業がメインとなる土木の職業は、若年層が就職先として避ける傾向にあります。

土木作業員は、給与形態が日給月給制の者も多く、安定性を求める若年層が就職先として選びたくない理由の一つになっているのです。

土木工事は天候によって左右されます。雨天時の作業は危険を伴うため、雨が降れば現場作業が中止になり、出勤日数が減ってしまうのです。

日給月給制の場合、出勤日数が減ると賃金も少なくなってしまいます。

出典:厚生労働省 一般職業紹介(4年5月分)について  

 

【原因②】建設業就業者の高齢化

土木業界では若年入職者が確保できず、年々、担い手の高齢化が進んでいます。

厚生労働省の資料によると、2016年時点で建設業就業者の約3割が55歳以上、29歳以下は約1割しかいないのです。

このまま人材確保ができず担い手のの高齢化が進めば、10年後には建設就業者の約3分の1が引退してしまうと予想されています。

また、人材不足だけでなく技能継承の問題もあり、若手人材が確保できないため技能継承が困難で、今後、土木を含めた建設業の技術力の衰退を如何にして防止するかが課題となっているのです。

出典:国土交通省 建設業及び建設工事従事者の現状  

 

人材不足を改善するための取り組み

時間外労働の上限規制

働き方改革関連法の施行により、令和6年4月には建設業にも時間外労働の上限規制が導入されます。

時間外労働の規制は、既に2019年4月に大企業に限定して施行され、中小企業については1年後の2020年4月に施行されています。

しかし、建設業については、適用事業から除外され、時間外労働の上限規制に5年間の猶予が設けられたのです。

まず原則として、労働時間は労働基準法によって、1日に8時間、1週間に40時間を超えて働かせてはならないと定められています。

しかし建設業界では、定められた労働時間を超えて働かせなければならないという場合が大半です。

そこで必要となるのが、定められた労働時間を超えて、働かせることができる「36協定」の締結になります。

36協定とは、働き方改革関連法の施行前は、一度締結してしまうと、労働者に法律上は上限なしに労働させることができるというものであったため、この法律が建設業界の労働者に長時間労働を許してしまう要因の一つとなっていました。

しかし、令和6年4月の時間外労働の上限規制の導入により、法律上、時間外労働の上限が原則として、月に45時間、年間360時間までとなったのです。

これにより、入職者の確保・長期雇用が困難になっている原因の長時間労働が改善に向かうのではないでしょうか。  

週休2日制完全実施

国土交通省より、「令和6年4月に、建設業にも罰則付きの時間外労働の上限規制を適用することに加えて、週休二日対象の公共工事を拡大することで建設業界の週休二日制を推進していく」という発表がありました。

公共工事における週休2日取得の取り組みについては、まず公共工事で完全週休2日制を実現し、民間工事でも週休2日制を導入していく考えの下、実施されているのです。

国土交通省は以下の取り組みを行い、週休2日対象工事の拡大が実現できる環境づくりを進めています。

■施工時期の平準化

■適正な工期設定
・週休二日算定が可能な「工期設定支援システム」の導入
・工事着手準備期間
・後片付け期間の見直し
・余裕期間制度の活用

■週休二日を考慮した間接費の補正

週休2日制の実施により、建設業で問題となっている休みの少なさが改善されていくことが予想されます。

同時に、就労日数が減った分、施工完了が遅れることを防ぐために、労働者数を増やさなければならないことがデメリットとしてあるのです。

建設業界では人材の確保が困難ですし、人材を確保できたとしても販管費が増える分、技能者の賃金が減ってしまうことが予想されます。

公共工事に関しては、行政から単価が1.2倍になると通達がありましたが、民間工事はどうなるのかという心配があります。

現状の週休2日工事の実施状況ですが、平成28年度から令和1年度までで7,567件も対象件数が増加しています。令和1年度には、公共工事の57.6%が週休2日工事の対象となっているのです。  

出典:001393962.pdf (mlit.go.jp)  

 

i-Constructionによる生産性向上

建設業界の人手不足に対処するには、生産性を上げていく必要があります。

そこで国土交通省は、建設業の生産性を向上させ、人材を呼び込むための施策としてi-Constructionを打ち出しました。

i-Constructionとは、調査・測量から設計、施工、検査、維持管理・更新までのあらゆる建設生産プロセスにICTを導入し、生産性を向上させるとともに、若年層に建設業を魅力のある職業だと示していくためのものです。

測量の段階では、ドローンやUAVによる3次元測量を行うことで、測量時間が短時間で抑えられるため、測量時間・人件費の削減に繋がります。  

 

〈建設現場でのICT活用例〉

・UAVやドローンによる3次元測量

・3次元データの活用

・ICT建機による施工  

外国人労働者の受入れ

国内人材を確保できない土木業界は、人材を確保するためには外国人労働者を受入れるしかない状況化にあるのです。  

2019年4月には、人手不足が著しい特定産業分野で即戦力となる外国人を受入れていくための「特定技能」という在留資格も新設され、行政も外国人雇用による人材不足改善を推奨しています。

正確には、特定技能は「特定技能1号」と「特定技能2号」の2つの在留資格があり、特定技能2号に移行することができれば、就労先がある限り永年、外国人の日本での就労が認められるのです。

特定技能2号の移行対象業種には、建設業も含まれています。

他にも、「技能実習」「技術・人文知識・国際業務」など様々な在留資格があり、受入れ目的にあった在留資格を選択する必要があります。

土木業界の人材不足による影響

インフラの耐用年数は50年が目安とされているため、耐用年数を超えたインフラは整備が必要です。

建設業界の人手不足によって、実施予定のインフラ工事が、毎年先送りにされているのが現状で、2033年には国内のインフラの約半数が建設後50年以上経過します。

このような状況下のため、2033年には整備を必要とするインフラが国内に溢れかえり、建設会社は仕事に困らないことが予想されます。

特に、インフラ整備の要となる土木業界における人材確保が課題となっており、土木業を営む企業が人材不足を解消できれば、地域で一人勝ちできる可能性も秘めているのです。

出典:国土交通省 国土交通白書第 2節 社会資本の老朽化対策等  

 

まとめ

土木業は、労働環境など良いイメージがないことから若年層が就職先として避ける傾向にあり、求人を出しても入職者を確保できない状況にあるのです。
この状況に対処するため、行政は、在留資格「特定技能」を新設して外国人労働者の受入れを推奨、i-Constructionによる生産性向上などの取り組みを行っています。
しかし手作業が多く、現場ごとに環境が異なるため業務の標準化が難しいとされている建設業では、ICT導入による生産性向上には時間がかかると考えます。
そのため現状は、外国人雇用により、人手不足の業界の人材を補い、労働生産性向上のための取り組みを行っていくことが良策ではないでしょうか。
(株)Joh Abroadの代表の福澤は、C・THE・S協同組合(監理団体)の代表理事も務めており、メインは建設業界ですが、様々な業界で外国人材を紹介させていただいております。
また当組合は送り出し機関との高い連携力を誇る組合で、当組合事務所の同じビルには、送り出し機関(ベトナム)の関連企業であるアニーズ株式会社が入居しているため、連携が取りやすく、受け入れ企業様からのベトナム人人材を募集してほしいというご依頼やその他ご要望に、素早く対応できることが他にない特徴です。
土木業界は、就職先として日本人から人気がありませんが、技能実習生にとっても実習先としてあまり選択したくない職業です。そんな中、技能実習生を低賃金で募集すると能力の低い人材しか集まりませんし、転職されるリスクも高まります。
そのため、企業様には安く雇用するというよりも適正賃金を支払い、長期雇用することを優先に考えていただければと思います。

 

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