今回も外国人労働者を雇用しようと考えている方が知りたい!情報をお伝えしていきたいと思います。
外国人雇用を検討している雇用主の方の多くが懸念されていることが「外国人労働者を受け入れることのデメリット」ではないでしょうか。
労働力の確保や新しい販路開拓、社内整備の機会などメリットの多い外国人雇用ですが、その反面デメリットももちろんあります。
しかし、デメリットばかりにフォーカスせず、前向きに検討していけるよう今回の記事ではデメリット対策についてお話しいたします。
外国人雇用の現状
外国人労働者は下記のグラフから分かる通り、増加し続けています。
2021年10月統計では170万人もの外国人労働者が日本で働いていることが分かっており、これからも外国人の働きやすい法整備は進められていく見通しです。
(厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめより)
外国人雇用は大企業だけ?
これだけ多くの外国人が雇用されていると聞いても「雇用しているのは大企業だけでは?」と思うかもしれません。
社内研修制度が整っていたり、ビザの手続きに知識のある人材がいたり、さらには語学に長ける社員がいたり、となると中小企業ではそもそも外国人を受け入れる環境づくりが難しいようにも見えます。
しかし実際に外国人を雇用している事業所を規模別で割合にしてみると過半数以上が30人未満の事業所での雇用になっています。
(厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめより)
研修制度やビザの手続き、語学力は外国人雇用については意外と小規模の事業所でもクリアできる問題とも言えます。
外国人労働者を雇用するデメリット
外国人を雇用する際にはあらかじめ生じてくるであろうデメリットについて理解しておきましょう。
実際に社員がデメリットを感じてきた場合にも、適切な対応をしていればその後トラブルに発展しにくくなります。
ここではよく聞かれる外国人労働者を雇用することのデメリットについて紹介します。
①コミュニケーションが困難
多くの雇用側が懸念するポイントでもあるコミュニケーション問題がもっとも大きなデメリットとして挙げられます。
仕事を教える際には必須である会話がなかなか通じないのは、社員にとって思った以上にストレスを感じます。
また文化・常識の違いで意思の疎通が図りにくいこともしばしばあります。
たとえば「今日これやっといて」と渡された業務があったとしましょう。
日本人なら、業務がもし終わりそうになければ終業時間の2~3時間前には業務が終わりそうにないことを相談するかと思います。
しかし海外では終業時間になってから「終わらなかった」と報告してくることが普通にあります。
これは決してその外国人がのんびりしていたり、仕事への意識が足りないとかではなく、海外の仕事のペース、報告のタイミングが日本とは違うというだけです。
外国人雇用と聞くと「言葉の問題」にフォーカスしがちですが、日本人同士なら暗黙のルールで伝わる常識が違うことも大きなデメリットになります。
②現場への負担増
コミュニケーション問題とも関わっていますが、外国人を雇用することで社内の環境整備や社内の研修など「プラスα」の仕事が出てくる点もデメリットとしてあげられます。
人事が外国人採用を決めたとしても、外国人に慣れていない社員がいきなり外国人に指導をスムーズに行えるわけではありません。
初めて外国人に仕事を教えるとなると、外国人が理解できる言葉の使い方や仕事の教え方、また考えの違いなどを日本人社員に研修しなければいけません。
また労災防止に社内の表示を外国人が理解できるポスターへの張り替えるなど環境整備が必要になる場合もあります。
上図のように母国語を併記されているポスターなどが無料で入手できるサイトもありますが、完全に労災を防止できる環境を整えるのは難しいところもあります。
というのも、外国人労災の原因として「言ったことを守らなかった」という事例も多々あるからです。
研修方法を工夫していかなければ事故を招いてしまうというリスクが常に大きく、現場への負担が増してしまうこともデメリットと言えます。
③派遣会社への追加料金の発生
不法就労を避けるためにも外国人雇用については外国人材専門の派遣会社を利用されることがおすすめです。
もしトラブルが起きた場合でも相談先を確保しておくことで外国人労働者・雇用主どちらもサポートを受けながら労使関係を築くことが外国人雇用では大きなポイントです。
しかし、派遣会社を利用することで必要経費がかさむこともデメリットに感じる雇用主もいます。
また労災防止のための研修や社内環境の整備にも日本人雇用には必要なかった費用がかかってくることもあります。
こうした人材確保に関わる経費が日本人よりかかる場合があります。
④就業期間の問題
多くの企業は若い人材の確保、そして彼らが長く自社の戦力として活躍してくれることを期待して外国人雇用に踏み出すことと思います。
しかし外国人材では、せっかく仕事を覚えて一人前の戦力になる頃には帰国、というパターンも。
在留区分によって就業できる期間が決められているので、どんな人材を採用するかによっても就業期間は変わります。
日本人の雇用には「できるだけ長く働く」ことを前提としているなかで、期限付きの雇用にはじめは戸惑うことでしょう。
今では特定技能の整備がされて在留期間の制限なしに滞在(労働)できるようになっているので、このデメリットは労使関係によっては解決できるものになっています。
⇩ 特定技能についてはこちらで紹介しています。
【在留資格一覧】外国人雇用の際に身に着けておくべき就労ビザの基礎知識
また外国人材は採用後から在留資格の申請・取得になるケースがほとんどです。
実際に入社するまでにタイムラグがあることもデメリットに感じるかもしれません。
外国人材をうまく活かしていくには雇用の出入りのサイクルがあることを前提に考える方が無難でしょう。
⇩ 外国人労働者との問題についても知りたい方はコチラ。
【外国人労働者の受け入れ問題】原因から解決策を考える
デメリットは解消できる?
デメリットについて考えると外国人の受け入れに足踏みしてしまうかもしれません。
しかし解消法を見つけておけば、デメリットを感じた時に対処し、うまく労使関係を築いていくこともできます。
専門機関からのサポートを受ける
ある程度の日本語力を持った外国人であっても日本で生活するのに必要な手続きや情報を困りごとなく進められるといったことはまずありえません。
外国人労働者が気持ち良く働けるためにはまず身の回りのサポートも必要です。
必要になるであろう具体的なサポート内容とは
〇日本での居住先探し / 引っ越し手配
〇生活に必要な情報提供(病院など) / 銀行口座の開設
ここにさらに社内研修や日本語サポートなど必要に応じて外国人に合わせたサポートが必要になります。
また建築業などの現場仕事を主とする業種や公共交通機関での移動が難しい場合には運転免許の取得または切り替えも加わります。
特定技能2号では家族帯同も認められているため、子どもがいる場合には子どもの学校探しなどの情報提供もサポートの範囲になるでしょう。
⇩ 運転免許についてはこちらをご参照ください。
実際どうなの?ベトナム人の運転免許取得は難しいのか。ベトナム語の免許取得サポートを紹介
どこまでを雇用主側がサポートしてあげるべきという明確な決まりはないため、外国人労働者が相談先も分からず困ってしまうといったケースもあります。
労働者が困りごとなく働ける環境を作るためにも専門機関にサポートを任せていくことでお互いに気持ちよく仕事ができます。
自社のステップアップと捉える
外国人材を採用する理由としては
② アウトバウンド対策として外国語と日本の社会に精通した人材を育てたい
③ インバウンド需要のため外国人対応を可能にしたい
④ 人手不足の解消のため
以上がよく挙げられます。
特に①~③については日本人から募集するより外国人材の方が適している場合が多く、企業に必要な人材が即座に手に入るとも言えます。
追随するデメリットや現場への負担もありますが、企業がビジネス成長する好機と捉えて体制見直しに取り組めるよう社員同士で意識の共有を図るといいでしょう。
外国人労働者受け入れにはデメリット対策を講じましょう
外国人労働者の受け入れは、実際に外国人が働く現場の社員への負担が増すことや手続きなどの煩雑さといったデメリットが生じてしまいます。
しかしはじめにも述べている通り、多くの企業で積極的に外国人採用も進んできているということはデメリットを踏まえてもメリット面が強いということがうかがえます。
あらかじめデメリットについて把握したうえで、長期的に外国人・既存の日本人社員へのサポート体制を構築していくことが大切です。
デメリットをクリアしていける体制さえ整えられれば、外国人材の入れ替えにも長く対応でき、人材不足に悩まされることもなくなりますね。
ぴったりの人材・雇用方法と体制づくりのアドバイスを受けられます。
⇩ 外国人労働者を受け入れる流れはこちらで解説しています。
【就労可能な19の在留資格】外国人労働者を受け入れる制度は?現状から雇用方法までしっかり解説
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