こんにちは! 株式会社Joh Abroadの南部晴香です。
今回も外国人雇用にまつわる疑問について解説していきます。
外国人を雇用したいと考えていても、定期的にニュースになる外国人の問題を目にするとつい引き気味になりませんか?
言葉だけでなく文化も違う外国人を雇用するとなると、日本人雇用には起こりにくい問題が起きることも事実です。
しかし、人手不足がこれからも悪化していく日本で、外国人の雇用は必須になってくるでしょう。
事前に起こりうる問題を知り対策をしておくことで外国人の雇用にまつわる問題を回避、解決していければいいですよね。
今回は日本で働く外国人の現状、よくある問題さらには解決策まで一緒に考えていきたいと思います。
外国人労働者をめぐる問題
外国人が日本で働けるよう特定技能や技能実習制度が整備されてきています。
しかし日本の企業(事業者)側が外国人雇用に不慣れなことが多く、まだまだ問題が多いのが現状です。
ここでは外国人労働者雇用に関わって実際に起きている問題や国から問題視されていることについて解説します。
具体的に起きている問題について知ることで、解決策を一緒に考えていきましょう。
問題① 低賃金労働
技能実習生に特に多い問題が、雇用側が正当な賃金を支払わずに労働させる「低賃金労働」や「賃金の不払い」といった問題です。
外国人が日本の賃金制度について詳しくないことをいいことに、最低賃金以下で労働させている技能実習生の「奴隷化」はたびたびニュースでも取り上げられます。
以下は令和2年度の技能実習生からの労働基準監督署への是正を求めた申告件数です。
賃 金・割増賃金の不払賃金不払(労働基準法第24条、第37条) | 163件 |
解雇手続の不備最低賃金(労働基準法第20条) | 26件 |
最低賃金額未満解雇の予告等(最低賃金法第4条) | 17件 |
(厚生労働省「技能実習生の実習実施者に対する監督指導、送検等の状況(令和2年)」より引用)
上記のように賃金の不払いが圧倒的に多くなっています。
また同調査では技能実習生受け入れ事業者への監督指導のうち70.8%が労働基準関係法令違反が認められたとされています。
その数はなんと5,752件にものぼり、技能実習生を取り巻く環境がいかに劣悪であるかがうかがえます。
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問題② 労災
外国人労働者の労災件数は労働者数の増加とともに年々増え続けています。
<外国人労働者の労働災害による休業4日以上の死傷者数>
外国人死傷者数 | 外国人労働者数 | 技能実習生死傷者数 | 技能実習生人数 | |
---|---|---|---|---|
令和3年 | 5,715 | 1,727,221 | 1,912 | 351,788 |
令和2年 | 4,682 | 1,724,328 | 1,625 | 402,356 |
令和元年 | 3,928 | 1,658,804 | 1,393 | 383,978 |
平成30年 | 2,847 | 1,460,463 | 784 | 308,489 |
平成29年 | 2,494 | 1,278,670 | 639 | 257,788 |
平成28年 | 2,211 | 1,083,769 | 496 | 211,108 |
(中央労働災害防止協会HPより引用)
日本語がまだ不自由だったり、日本のルール、機械の操作に不慣れな技能実習生の労災件数の多さが目立ちます。
実習でなく人手という認識で仕事を任せてしまうがために、無免許での機械操作による事故が起こっていることもあります。
また労災問題については、外国人が日本の医療制度や労災の申請などを理解していないことをいいことに労災申請せずに隠ぺいしているケースも問題となっています。
問題③ コミュニケーションや偏見・差別
外国人雇用で一番の難関とも言えるのがコミュニケーション問題です。
外国人雇用を検討している企業の多くは外国語を仕事上日常的に使用することのない業種にあたります。
外国語や外国の文化に精通している社員がいればいいですが、なかなかそういった人材をすでに確保しているという企業はありません。
そんな状況で実際に外国人を雇い入れても、日本語レベルや日本と外国のルールや認識の違いを海外経験のない社員だけでクリアしていくことは非常に難しいでしょう。
伝え方や理解の違いが結果的には労災に繋がることにもなります。
また外国人の少ない地域ではまだ外国人に対してのイメージが悪い、なんとなく敬遠してしまう場合もあります。
こういった場合、社内で外国人が孤立してしまったり、偏見によって差別やパワーハラスメントを引き起こしてしまうこともあり、社員への教育や地域社会への説明などが必要になってきます。
問題④ 不法就労の増加
不法就労は不法に仕事をしている外国人だけでなく、雇用している企業側も罰せられるということは意外に知られていません。
たとえ正規に雇用したつもりでも偽造された在留カードであれば雇用主も「不法就労助長罪」として懲役または罰金刑が科せられます。
不法就労については「知らなかった」では通らないので、労務管理についてしっかりとした知識をつけ、手続きを完了させなければなりません。
労務管理やビザ取得などに不安がある場合には外国人材を専門とした人材派遣会社を利用するというのも一つの手です。
近年では人材派遣会社が書類を偽造し出入国在留管理庁に提出していたという事件もあり、人材派遣会社の利用にも見極めが必要です。
⇩ 就労可能なビザについてもしっかり知識をつけて外国人雇用に臨みましょう ⇩
【在留資格一覧】外国人雇用の際に身に着けておくべき就労ビザの基礎知識
問題を回避するために
外国人労働者の雇用についてまわる問題について紹介してきました。
ここまでで雇用主の方に気づいて欲しいのが、外国人労働者の雇用で起こる問題は外国人ばかりに悪い面があるわけでないということです。
問題を回避するには雇用主(日本人)側の意識や社内システムの改革が必要です。
職場環境を整える
外国人労働者と働くのが初めての企業では日本人社員向けの研修も必要になります。
仕事の教え方以前に言葉や文化の違う相手との接し方を学んだり、日本との文化の違いを知ることで外国人に日本人側から歩み寄れる意識を育てていくことが大切です。
労災の発生についても、そもそも外国人が指導内容を理解できていないままで作業しているケースもあります。
これは外国人への指導の仕方を教える側が分かっていないことも原因と言えます。
日本語レベルや外国人労働者の育った文化や常識などを教える側が理解して日本との違いに気づいていくことも指導には必要です。
社内の安全衛生対策も再考し、外国人労働者にも理解・実施できるルールを整備していかなければなりません。
技能実習制度や特定技能を取り入れるにあたっては厚生労働省から安全衛生教育の補助教材も用意されています。
(各言語対応の補助教材はこちら)
労災を発生させない、外国人に安心して仕事を任せていけるためにも安全衛生対策をしっかり講じることが雇用主側に求められます。
相談先を確保する
外国人の雇用には日本人を雇用する場合にはない手続きがあります。
会社の総務・人事がしっかり知識をつけて自社内で手続きできれば問題ないですが、そうでない場合には専門的な機関(人材派遣サービス)を利用するのが賢明でしょう。
不法就労問題でも少し触れていますが、技能実習制度を悪用している監理団体や不法就労をすすめる人材派遣会社も中にはあります。
外国人材派遣サービスや監理団体を通して雇用する場合には派遣会社の見極めも必要です。
外国人雇用は問題回避の体制が大切です
外国人を雇用するとなると今まで日本人同士で暗黙の了解のように進んできたことがまかり通らなくなります。
社内のルールや安全対策、賃金など見直しの必要なことが多岐にわたり、どんな対策をとればいいのか?不明瞭な部分も多いでしょう。
「問題が起きている」「見直しが必要」と聞くとマイナスイメージがついてしまい、外国人雇用に踏み切れなくなるかもしれません。
しかし、人手不足が本格化してきた今、企業のステップアップの機会として信頼できる外国人材派遣会社を見つけ、サポートを受けながら挑戦してみるのはいかがでしょうか。
株式会社Joh Abroadでは人材派遣サービスも行っています
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