低炭素住宅は住宅ローン控除や補助金など住宅購入者が得られるメリットは大きいため、住宅会社からお客様に提案することで成約率の上昇も期待できます。
しかし現状、申請にかかる手間や着工までの期間が延びるという理由から申請していない企業様が多く、また認定条件に太陽光の設置があると住宅購入者にとって申請のハードルが高くなるでしょう。
申請にかかる手間に関しては外注という手段もありますので、今回は申請を安く外注する方法と低炭素住宅の認定取得には太陽光設置が必須なのかをご紹介します。
低炭素住宅の認定取得に太陽光発電の設置は義務?
政府は住宅などの脱炭素に向け、低炭素建築物の認定基準を見直し、2022年度から太陽光発電など再生可能エネルギーの設置を義務化させる新基準を適用しました。
日本の売電価格は年々下降傾向にあり、2010年に48円/kWだったのが2013年には38円/kW、2022年には17円にまで下降しています。
売電価格が下がってきているため太陽光発電を設置することで得られるメリットは少なくなってきていますが、電気料金の値上がりが続くことが予想される今後のことを考慮すると、発電した電気を利用することにより電気代高騰の影響を受けない太陽光発電の設置はメリットではないでしょうか。
低炭素住宅の認定基準
低炭素住宅として認定を受けるには下記の条件を満たしている必要があります。
1.省エネ法の省エネ基準に比べ、一次エネルギー消費量が20%以上削減されていること。
2.再生可能エネルギー利用設備が設けられていること。
3.一戸建ての住宅の場合、省エネ効果による削減量と再生可能エネルギー利用設備で得られるエネルギー量の合計値が基準一次エネルギー消費量の50%以上であること。
4.その他の低炭素化に資する措置が講じられていること。
1~3は必須項目ですが、4は選択項目となっており、下記①~⑨のうち1項目以上の措置を講じていることが条件です。
①節水に役立つ機器の設置(節水便器や食器洗い機の採用、節水に役立つ水栓)
②雨水、井戸水又は雑排水の利用のための設備の設置
③HEMS又はBEMSの設置
※HEMS (ホームエネルギーマネジメントシステム)とは、家庭内で使用している電気機器の使用量や稼働状況をモニター画面などで見える化することで、消費者が電気の使用状況を把握し、エネルギーを管理するためのシステムです。
BEMS (ビル・エネルギー管理システム)は、オフィスビルや商業施設等のエネルギー使用量を管理・分析し、施設全体のエネルギーを最適化することができるシステムで、ビル全体の空調、照明、配電設備や、OA機器などの使用状況が可視化されます。
④太陽光などの再生可能エネルギーによる発電設備と、それに連係した定置型蓄電池の設置
⑤一定のヒートアイランド対策(屋上・壁面緑化等)の実施 ※ヒートアイランド現象とは、郊外に比べて、都市部ほど気温が高くなる現象です。これにより、住民の健康や生活、自然環境への影響、例えば夏季は熱中症の増加や不快さの増大、冬季は感染症を媒介する生物の越冬が可能になります。
⑥住宅の劣化を軽減する措置が取られている
⑦木造住宅又は木造建築物である
⑧構造耐力上主要な部分に、高炉セメントまたはフライアッシュセメントを使用
⑨V2H充放電設備の設置
低炭素住宅のメリット
【メリット1】住宅ローン控除での優遇
低炭素住宅では、住宅ローン控除の最大控除額が一般の住宅よりも増えます。
令和6年~7年までに入居した場合、新築の長期優良住宅の借入限度額は4,500万円、一般の新築住宅の借入限度額が3,000万円で、それぞれ控除期間は最大で13年です。
仮に上限まで住宅ローンを借りて、それぞれ13年間で返済した場合の控除額は下記になります。
・新築の低炭素住宅:409.5万円
・一般の新築住宅:273万円
低炭素住宅として認定を受けると、控除額が136.5万円も多くなります。
【メリット2】住宅ローンが低金利で組める
低炭素住宅でも、住宅ローンの金利面での優遇があります。
低炭素住宅に認定されると、フラット35S(金利Aプラン)の利用基準のうち「省エネルギー性」を満たすことになるので、ローン開始から最初の10年間の金利が1.3%から1.05%に引き下げられるのです。
【メリット3】地域型住宅グリーン化事業の補助金を受けられる
地域型住宅グリーン化事業とは、国土交通省の採択を受けたグループ(工務店など)が建てる省エネルギー性能や耐久性能等に優れた木造住宅を対象に補助金が交付される制度です。
令和5年(2023年度)も、地域型住宅グリーン化事業は継続的に実施されます。 2023年の内容についてはまだ発表されていませんので、2022年の補助額や条件等を下記にてご紹介します。
昨年は低炭素住宅の認定を取得すると90万円の補助金が支給されていました。
地域型住宅グリーン化事業の対象・補助額 | |
補助対象・補助限度額 | ・長期優良住宅 :140万円 ・高度省エネ型(認定低炭素住宅):90万円 ・ゼロエネルギー住宅(ZEH):150万円 |
加算措置 | ①地域住文化加算:20万円 ②地域材加算:20万円 ③三世代同居 / 若者・子育て世代加算:30万円 ④バリアフリー加算:30万円 |
【メリット4】こどもエコすまい支援事業が利用可能
こどもエコすまい支援事業は、2022年11月28日に申請受付終了となった「こどもみらい住宅支援事業」に引き続き、2023年から本格実施される補助金制度です。
こどもみらい住宅支援事業と同じく、補助対象者は子育て・若者世代ですが、住宅の要件はZEHレベルと前回よりも厳しくなっております。
低炭素住宅の認定を取得すると、100万円/戸の補助金が支給されます。
対象者や条件など、詳しくは下記をご確認ください。
こどもエコすまい支援事業の対象・条件等(新築注文住宅) | |
対象世帯 | ・子育て世帯 ・夫婦のどちらかが39歳以下の若者夫婦世帯 |
対象住宅 | 延床面積が50平米以上の以下の住宅 ・ZEH ・Nearly ZEH ・ZEH Ready ・ZEH Oriented ・令和4年10月1日以降に認定申請をした認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、性能向上計画認定住宅 |
対象期間 | ・契約日は問わない ・以下の期限までに住宅の引渡しと入居を行い、完了報告を提出 |
補助額 | 100万円/1戸 |
2024年の住宅補助金、子育てエコホーム支援事業についてはこちら⇩
【2024年版】子育てエコホーム支援事業はいつから受付開始?最大100万円の補助金
(株)Joh Abroadでは低炭素住宅などの申請を相場の半額で代行!
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自社メンバーの工数削減のために申請業務を外注したいが、外注コストは可能な限り減らしたいという企業様には海外への外注がおすすめです。
また低炭素住宅とは異なり、長期優良住宅は太陽光発電を設置せずとも認定を取得することができますので、太陽光発電の設置がハードルであるという住宅購入者様には長期優良住宅の申請をおすすめしたいと考えています。
長期優良住宅のメリットはこちら⇩
【いらない?】長期優良住宅のメリットは?元取れるか損得をリアルに計算してみた。
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