今回はベトナム人雇用を考えている方へのお役立ち情報をお伝えします。
ベトナム人の人材派遣に携わるにあたって、まず知りたいと思ったのが「ベトナム人ってどんな人たちなの?」ということでした。「外国人材が~」とひとくくりにして話しがちですが、出身国によって性格や働き方は当然違います。
日本人に根付いている考えや常識といったものが通じないことも多々あるので、ベトナム人との根本的な意識の違いを事前に知っておくことは円滑なコミュニケーションにも繋がります。
これからベトナム人の雇用や技能実習生の受入を予定されている企業様はぜひ受け入れ前にベトナム人の性格や接し方についてこの記事を参考にしてみてください。
在留ベトナム人の増加
以下は令和3年(2021年)10月時点での国籍別外国人労働者の割合です。 (グラフは厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況のまとめより引用)
在留外国人と言うと中国人が多い印象がありますが、実はベトナム人は45万人以上で中国人よりもかなり多いことが分かります。 このうち在留資格別に見てみると44.6%が「技能実習」で、二番目に「資格外活動」の「留学」が24.2%を占めています。
来日するベトナム人が多いのはなぜ?
ベトナム人の留学先として日本は根強い人気を誇っています。
日本はアジア人留学生を積極的に誘致しているので、日本への留学がしやすい状況にあるのが大きな理由でもあります。また欧米への留学に比べると距離・金銭的な面でも負担が少ないことや、もともとベトナムが親日派ということも人気の理由に挙げられます。
学校の外国語の授業でも英語と並んで日本語が取り入れられているほどなので、親日ぶりがよく分かります。
一方で在留資格別では40%以上の「技能実習」ですが、実は技能実習生の送り先としては日本より韓国の方が人気になっています。韓国の方が給与が高く、日本では様々な技能実習生関連の事件が起きていることもベトナム人のネットワークではすでに知られてしまっているからです。
これから日本が技能実習制度を長く良好に続けようとするなら、給与面での待遇や労働時間・環境の改善は必須になってくるでしょう。
ベトナム人の特徴
ベトナム人の特徴と言っても、日本人が一般的に勤勉と言われてもそうでない人もいるように、すべてのベトナム人に当てはまるわけではないことはご承知おきください。
在留ベトナム人の増加に伴って、ベトナム人関連のニュースも定期的に見かけることが増えました。
特に技能実習生関連のニュースはトラブルになっている話題が多く「ベトナム人=トラブルのもと」という先入観を持つ方も多いでしょう。
ここではそもそものベトナム人の特徴として挙げられやすい性格について紹介します。
基本的に真面目
日本人にとって「外国人」とは少しおおざっぱでサボり癖のあるイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。
しかし、ベトナム人は基本的に真面目な人が多いと言われています。
また日本で仕事をしよう、スキルを磨こうと来ている人の大半はベトナムの専門機関で教育を受けてきたり、そもそも学力が高く日本語を使いこなせたり、それ以外の専門的な高いスキルを持っています。
「外国人だから分からない」「外国人だからできない」ということはなく、基本的な能力は同世代の日本人より高いとみてもいいでしょう。
それだけの学力やスキルを身につけてまで来日して仕事をしようとしているのですから、真面目にしてきたのだと予想もつきます。
⇩ 技能実習生も現地でしっかり教育を受けて来日しています
【潜入調査】ベトナム人技能実習生はなぜ日本に来るのか?日本で働く理由とは?送り出し機関で見たベトナム人実習生の性格や実態
家族を大事にする
ベトナム人は家族をとても大切にします。
ベトナム人に限らず、海外では家族を優先する傾向が強いなか、日本は昭和時代から「家族<仕事」という価値観が根付いてきています。 家族や友人と過ごす時間を大切にしているので、休日出勤をしたり残業で遅くまで仕事をするという意識は基本的にありません。
この違いが日本人にとっては一番大きな違いに感じるかもしれません。
と言ってもまだまだ仕事優先、休みはない!という業界も多いのも実情…。
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手先が器用
ベトナムでは工芸品など手工芸が盛んにおこなわれてきたこともあって、手先の器用な人が多いと言われています。
真面目な性格も相まって、コツコツと続ける作業などに向いています。
キャリアアップ志向が強い
キャリアアップ志向が強いため、自分の能力を正当に評価されることを望み、評価されていないと感じると転職をするケースが多くあります。
日本人は転職を「ギブアップ」と捉えがちですが、ベトナム人にとって転職は「ステップアップ」の一つです。
一つの会社に長く勤めることよりも色々な会社でたくさんのことを経験したいと考える人が多く、日本人との職業観の大きな違いが見えます。
また在留ベトナム人の転職の代表的な理由として給与への不満が挙げられますが、給与が低いことは自分の能力を評価されていないと感じるためです。
キャリアアップ志向が強いので、自分をより良く評価してくれるところがあれば転職に前向きな姿勢でいる人がほとんどと言えます。
仕事上で気を付けたいポイント
ベトナム人の特徴を踏まえて実際にどのような点に気を付けて仕事を進めていけばいいでしょうか。
ここでは仕事上で気を付けたいポイントを解説します。
価値観の違いを押し付けない
日本人とは仕事に対する価値観が違うことを理解しておきましょう。価値観をベトナム人に合わせる必要はありませんが、思いにそぐわないであろう状況になった時に話し合いの機会を設けたり、都度コミュニケーションを図って不満を溜めこまないようにする工夫が必要です。
⇩ 外国人労働者の受け入れにまつわる問題はコチラ
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仕事第一優先ではない
特徴のところでも述べていますが、ベトナム人にとって仕事は第一優先事項ではなく家族や友人との時間も同等に大切にされるものです。
長時間労働や休日出勤はなく、その代わり就労時間で高いパフォーマンスを発揮するという考えです。
どうしても休日出勤や残業が必要な時にはいきなり指示するのではなく、相手と相談し、納得する労働時間になるよう調整が必要です。
評価を求める
昇進や昇給、評価などを堂々と求める日本人はあまりいませんが、ベトナム人は評価されることを望みます。
評価された結果が昇進や昇給に繋がるので、給与面での待遇も求められてきます。
また人前で注意されることを嫌い、褒められることには歓迎します。日本人なら上司に職場で怒られたという場面もありますが、ベトナム人に人前で注意するのは避けましょう。
キャリアアップできる環境が必要
ベトナム人は日本人よりも上昇志向が強いので、キャリアを多く積んでいきたいと考えています。
最近ではよく「昇進したくない若者」などとニュースで話題になっている日本人とは真逆とも言える価値観です。 長く自社で働いてもらうためには常にキャリアアップできる環境づくりが必要になり、評価方法、待遇改善が雇用側も見直す必要が出てくるかもしれません。
ベトナムの若い世代は志向が違う?
SNSの普及などによってベトナム人の若い世代にはライフスタイルや働き方に変化が出てきています。
家族を大事にする考え方は変わっていませんが、自分の家庭を早く持つより、キャリアや経験を積み、自分の人生を楽しむという価値観も広まってきています。
SNSの普及も相まって、よりグローバルな視点を持つベトナム人が増え、もともとの勤勉さや手先の器用さなどの良い面から世界でも注目されているのがベトナム人材です。
外国人材を受け入れしないという選択肢
トラブルの回避法として外国人をそもそも受け入れないという選択肢もありますが、これから先の日本で全く外国人を受け入れなければどうなるでしょうか?
以下は厚生労働省から発表されている有効求人倍率についてです。
建設・採掘の職業 | 5.11 |
建設躯体工事の職業 | 9.47 |
建設の職業 | 4.46 |
電気工事の職業 | 3.22 |
土木の職業 | 5.78 |
採掘の職業 | 5.85 |
(厚生労働省 一般職業紹介状況(令和4年7月分)より抜粋)
人気職種である事務的職業が0.41倍しかないのに対して建設業では上記のように有効求人倍率が軒並み高く、いかに不人気で人手不足かが分かります。
今後ますます少子高齢社会は進むなかで、建設業で話題になっている2033年問題を見越すと外国人材を受け入れない企業は人手不足を理由に仕事できない、悪い労働環境が続くようになっていくでしょう。
今後の会社の存続や人手確保を見越して外国人材の受け入れを検討してみてはどうでしょうか。
⇩ 今後の建設業の行方についてはコチラ
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ベトナム人の性格は事前に理解がベスト
今回は雇用・受入前に知っておくと良好な労使関係にも繋がるベトナム人の性格・特徴について紹介してきました。
日本人同士でも考え方の違いで職場でトラブルになることはありますが、言葉やルール、習慣が全く異なる外国人であればなおさらです。
実際にトラブルが起きる前に相手への理解を深め、研修内容や労働時間の整備をしておくとスムーズに仕事に打ち込んでもらえるようになるでしょう。
日本人にとっては親近感の湧くところも多く、特にグローバルな視点を持つベトナム人の若い層は世界でも注目を集める人材です。
アジアのパワーを自社の新しいステップアップのエネルギー源として取り入れてみてはいかがでしょうか。
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