建設業界の「やばい」人手不足の現状
株式会社Joh Abroadの中里です。
本記事では、世間から建設業へのイメージが悪く、「建設業はやばい!」と思っている方が多くいるというのが実情かと思いますが、建設業は何が「やばい」のかを現状と課題、今後は実際にはどうなるのかということについてご説明したいと思います。
建設業界の現状として人手不足に悩まされている建設会社が大半かと思いますが、その人手不足のデーターを見ると同じ人手不足で悩まされている介護業界以上です。現状の人手不足もですが、今後10年の建設業界の人手不足問題、建設業界の賃金データー、人手不足を解消するための外国人人材について、2033年前後に訪れる建設業界のチャンスについても解説していきます。
最後にハノイ建設(土木)大学から新卒学生を現場監督候補生として紹介するスキームをご紹介いたします。
有効求人倍率の上昇と就業者の高齢化
厚生労働省のデータによると、建設・採掘の職業の有効求人倍率は5.54倍、建設業と同様に人手不足が問題視されている介護サービスの職業の有効求人倍率は3.07倍、人気職業である事務的職業は0.34倍となっております。
このように、建設業は他の職業と比較して有効求人倍率の高さが顕著に表れています。有効求人倍率が高いということは、公共職業安定所(ハローワーク)に求人募集を出しても募集に対して求職者が集まらないということです。
建設業界では、労働環境や待遇の悪さが影響し、若年就業者の離職やそもそも公共職業安定所に求人募集を出しても求職者が集まらない等といったことが原因になり、建設業就業者の高齢化が年々進んでいます。そして、この状況がこれからも続くけば、10年後には建設業就業者の大半が引退してしまうという事態が起こることが予想されるのです。
建設業界の長時間労働と低賃金
厚生労働省のデータによると、建設業は2016年時点で年間実労働時間は2056時間、年間出勤日数は251日であり、調査産業計と比較すると建設業の方が年間実労働時間は336時間、年間出勤日数は29日多いという結果になっています。また、年間賃金総支給額に着目すると、他産業と同等、建設業男性生産労働者と製造男性生産労働者を比較すると、建設業男性生産労働者の方が低いのです。
上記のようなデータがありますので、求職者からすると建設業は他産業よりも長時間労働を強いられるデメリットがあるにもかかわらず、賃金支給額は他産業と同等かそれ以下というあまり入職することでのメリットが見いだせない職業となっています。同じ労働時間で、より多い賃金が得られるのであればその職業を選びますよね。
若年層に建設業を営む会社に入職してもらうためにも、建設業界には早期の労働環境改善が求められています。
建設業界の人手不足改善へ向けた動き
世間から「やばい」という認識を持たれている建設業ですが、労働環境改善に向けて国も動き出しています。
時間外労働の上限規制が導入
2024年4月に労働環境の改善へむけて時間外労働の上限規制が建設業にも導入されることになりました。
労働時間は労働基準法により、1日に8時間、1週間に40時間を超えることを原則禁止されています。しかし、建設業では原則とされている労働時間を超えて働かなければならないということが大半ですので、その場合の措置として国は「36協定」というものを用意しています。法律改正前は36協定の締結さえすれば、労働時間の上限なく働かせることが可能でしたが、法律が改正され2024年4月に時間外労働の上限規制が導入されることによって、時間外労働の上限が月に45時間、年間360時間までとなりました。
また、建設業には特定の条件を満たせば36協定の時間外労働の上限規制が適用除外になる例外があり、特別条項付きの36協定を締結した場合には、36協定で定められている時間外労働の上限とは別に時間外・休日労働が可能になります。特別条項付きの36協定を締結するための条件とは、災害などの臨時的な特別な事情があった場合に労使に合意を得るというものになりますが、これを締結することが出来れば、
・年720時間以内の時間外労働
・合計で月100時間未満の時間外労働と休日労働
・合計で2~6か月平均がいずれも1月あたり80時間以内の時間外労働と休日労働
・6か月が限度であるが、月45時間を超えることができる時間外労働
が認められるのです。
建設業には労働時間が長く、休日が少ないという現状がありますが、時間外労働の上限規制が導入されることにより、若年層が建設業で働きたくないと考える大きな要因の一つである長時間労働が今後、改善されていくと予想され、それに伴い建設業の有効求人倍率も低くなることが期待できます。
割増賃金の増加
2010年の法改正で既に月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が25%から50%へと引き上げが行われていた大企業に加えて、中小企業も2023年4月からは月60時間を超える時間外労働の割増賃金率50%が適用されることになります。
これにより、大幅な改善は難しいかと思いますが、建設業の労働時間に対して賃金が低いという問題点に多少の改善が見込めるでしょう。
外国人労働者の増加
出典:厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和2年 10 月末現在)
近年、国内の外国人労働者が増加傾向にあり、建設業の外国人労働者数も平成23年から平成28年で220.3%も増加しています。特に建設業は、公共職業安定所に求人募集を出しても求職者が集まらないという状況が続いており、人手が足りないと嘆く建設会社は外国人を雇うという手段を取るしかなくなっているのです。
このように外国人を雇うという建設会社が多くなっている状況下ですが、外国人を最低賃金ぎりぎりで雇おうとされる経営者様が散見されます。外国人であるからといって低賃金で雇おうとすれば、あまり良いとは言えない人材しか募集に集まらない、あるいは誰も募集に来ないということになってしまいますし、外国人労働者に失踪される、転職される原因にもなり得るのです。
一度雇って教育した外国人材に転職されてしまえば、新たな外国人を雇う、一からの教育といった労力が必要になりますので、転職されるリスクの少ない賃金設定で雇われることをおすすめします。
建設業界の今後の展開
出典:国土交通省 国土交通白書第 2節 社会資本の老朽化対策等
国土交通省のデータによると、2033年には国内における建設後50年以上経過する社会資本の割合が約半数となります。国内のインフラ老朽化に伴い、整備が必要なインフラも増えているのですが、建設業界の人手不足が影響し、本来行うことが予定されていたインフラ整備が先送りにされているというのが実情です。
上述のような状況下ですので、約10年後には整備を必要とするインフラが国内に溢れかえり、建設会社は仕事に困らないことが予想されます。そのため、今から外国人の雇用など人材の確保へ行動しておき、約10年後に人材確保が出来ている状況をつくることで自社での受注数を増やすことに繋がり、利益面でも人材確保が出来ていない企業とでは大きな差があらわれることでしょう。
【人材確保】現場監督人材のご紹介
弊社ではハノイ建設(土木)大学と提携して、2年間1000時間の日本語教育を受けたベトナム建築系大学の優秀な学生を現場監督候補生として新卒で紹介するスキームを構築しております。建設業の人手不足は職人だけでなくエンジニアも人手不足ですので、弊社の取り組みをご活用下さい。
■ハノイ建設(土木)大学からの現場監督採用ページ
【現場監督の人材確保方法】建設業界の人手不足対策~解決策はベトナム建設系大学から新卒採用~
まとめ
建設業界で何が一番「やばい」のかと言うと人手不足の深刻化です。国も建設業の人手不足解消に向けて、法律改正による労働環境の改善など動き始めています。しかし、早期に改善効果が表れるのかというとそんなことはなく時間を必要としますので、建設会社は外国人労働者の雇用など、自ら人手不足改善へと行動することが求められています。
2033年前後に訪れるインフラ整備不足に関する課題ですが、現状の建設業界の体制では不可能な状況です。斜陽産業と取られられることの多い建設業界ですが、この10年で体制を整えればチャンスが広がりますので、一度真剣に自社の体制について考えるべきなのです。
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