株式会社Joh Abroadの中里貫太です。
若年就業者が定着せず、国内では人材が確保できないために人手不足に悩む建設業では、外国人技能実習生の受入れを検討している建設会社様もいらっしゃるでしょう。本記事では、技能実習生の月給についてと、建設業が就職先として低人気の理由を分かりやすくご説明していきたいと思います。
建設業で外国人技能実習生を受入れる際の月給は?
建設業で優秀な技能実習生を受入れるには、基本的には月給19万円、とび職での受入れの場合は月給22万円です。
国内で人気の低い建設業ですが、外国人からも同様に人気のない業種となっています。そのため、他業種と同じ賃金であれば決して良い人材とは言えない技能実習生しか募集に来ないということが起こります。
建設業で優秀な技能実習生を募集するためには、他業種よりも2~3万円ほど高く賃金設定する必要があると想定してください。
外国人技能実習生の受入れは原則として月給制
国土交通省から建設関係職種における技能実習生の受入れ基準強化の告示がなされたことで、2020年1月から建設関係職種等に属する作業に係る技能実習生には「月給制(月給日給制を含む)」により報酬を安定的に支払うことが義務付けられています。この規則は厳格で、他の職員が月給制でない場合も、技能実習生に対しては月給制で報酬を支払わなければなりません。
技能実習生に対して月収制での報酬の支払いを求めるのは、日給制や時給制の場合、季節や工事受注状況による仕事の繁閑であらかじめ想定していた報酬を下回ることもあり、報酬面でミスマッチが生じ、技能実習生の就労意欲の低下や失踪等に繋がる懸念があるためです。
建設業で外国人技能実習生を受入れなければならない理由
人手不足に悩む建設業ですが、建設業界では求人を出しても人が来ないという状況が続いております。 下記は厚生労働省のデータになりますが、建設業の有効求人倍率は5.40倍、建設業と同様に人手不足が問題視されている介護サービスの職業の有効求人倍率は3.08倍と建設業で人材確保ができない状況の深刻さが顕著にあらわれています。
建設業では若年就業者が定着しない・確保できないことで、建設業就業者の高齢化が進行しています。下記の厚生労働省のデータで平成29年度における建設就業者の年齢層を見ると、55歳以上が約34%を占めており、29歳以下は約11%しかいない状況です。
以上のことから、10年後には建設就業者の大半が引退し、ますます建設業の人手不足が深刻化してしまうことが予想されます。 国内では人材を確保できずに建設就業者の高齢化が進む建設業では、外国人を雇用し、人材を確保するしかないのです。
建設業が就職先として不人気な理由5選
3Kのイメージ
3Kとは「きつい・汚い・危険」の3つを指す言葉ですが、建設業は3Kの代表格です
。国土交通省は建設業に対して持たれている3Kのイメージ払拭のため、「給与・休暇・希望」という新3Kの方針を打ち出し、様々な取り組みを実施しています。が、世間からは依然として「3Kと言えば建設業」というイメージを持たれており、就職先として敬遠されているのが現状です。
雇用が不安定
厚生労働省のデータによると、建設業の技能労働者6割以上が日給制です。日給制の場合、悪天候により現場作業が中止になるなど、現場のある・なしによって給料が左右されるため、安定した収入を望む若年層は建設業から離れてしまっています。
出典:国土交通省 建設業の働き方として目指していくべき方向性
労働に対して賃金が低い
建設業は他業種よりも、休みが少なく労働時間が長いが、賃金は他業種と同等以下であることが、若年層から人気のない要因の一つとなっています。
厚生労働省のデータで、建設業と製造業の2016年度における年間実労働時間・年間出勤日数を比較すると、年間実労働時間は建設業の方が105時間長く、年間出勤日数は建設業の方が17日多いということが判明しました。さらに、建設業の年間賃金総支給額に関しても製造業と比較すると、同等かそれ以下となっています。
以上を踏まえると、他業種に比べて労働時間に対する賃金の低い建設業が就職先として敬遠されるのも必然ではないでしょうか。
出典:建設業の働き方として目指していくべき方向性(参考資料)
作業に危険が伴う
建設現場では、高所や足場の悪い場所での作業、重機や危険な道具を扱うため、労働災害が多い傾向にあります。肉体労働が主な業務で、日給制が約6割を占める技能労働者が、現場で怪我を負うなどの労働災害にあうと、長期間働けなくなり、休職している間の給料が発生しないというリスクがあるのです。
SNS上に暴行動画が出回っている
2022年には、岡山市の建設会社が技能実習生に対して暴力を振るっていたことが大きなニュースになっていましたが、他にもSNS上には同じような動画が出回っています。勿論、技能実習生に対して、このような扱いをするのは一部の建設会社のみですが、建設業に対して良いイメージを持っていない技能実習生が大半であるというのが実情です。
まとめ
人手不足に悩み、人材確保のため外国人技能実習生の受入れを検討しているという建設会社様も多数、見受けられます。が、建設業は外国人技能実習生からも人気のない業種のため、優秀な人材を募集するのであれば、他業種よりも2~3万円ほど高く賃金設定しなければなりません。
外国人技能実習生の賃金設定は、基本的に月給19万円、とび職での受入れの場合は月給22万円を目安にお考えください。
技能実習生受入れについての詳細は下記ページのご確認ください。
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