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一号特定技能外国人と外国人建設就労者の違い~建設業界で需要の拡大~

株式会社Joh Abroadの中里貫太です。

日本では、少子高齢化社会の進行に伴い「特定技能」「特定活動」などの様々な在留資格が創設され、日本で働く外国人が増えています。

そのため、外国人受入れを検討している企業様も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

なかでも、建設会社様においては以下のような疑問を抱えている方もいらっしゃると考えます。

「一号特定技能外国人や外国人建設就労者という言葉はよく聞くが違いは?」

本記事では、上記の疑問を解消していただくため、一号特定技能外国人と外国人建設就労者の違いについて解説していきます。

一号特定技能外国人と外国人建設就労者の違いとは

一号特定技能外国人と外国人建設就労者の違いは、「在留資格」「受入れ方法」「就労可能な職種・作業」「在留期間」です。日本の中長期な人材不足を解消するために2019年に新設された在留資格が特定技能であり、2020年の東京オリンピック開催に向けた建設需要のために一時的に開設された外国人建設就労者とでは、在留資格(ビザ)の意図が全く違います。

在留資格

一号特定技能外国人

一号特定技能外国人とは、特定技能1号の在留資格を取得した外国人のことをいいます。

特定技能は、国内人材の確保のための取り組みを行ってもなお人材確保が困難な状況にあり、人手不足が著しい産業上の分野において、一定水準以上の技能・知識・日本語能力を有し即戦力となる外国人を受入れていくことを目的に2019年4月に新設された在留資格です。  

 

外国人建設就労者

外国人建設就労者に関しては、言葉だけを聞くと建設業で働く外国人の総称のように思いますが、この言葉が指すのは外国人建設就労者(特定活動32号)の在留資格です。

外国人建設就労者(特定活動32号)の在留資格は、2020年に東京で開催されるオリンピック・パラリンピックの関連施設の整備などによって需要が増す建設業界で、多くの外国人を受入れていくために期間限定で創設されました。

また、この在留資格は、建設分野において技能実習を修了した外国人に与えられます。 2015年5月12日に第1号の外国人建設就労者が入国し、受入れ事業が進められていきましたが、新規の受入れは2021年3月末で終了しました。  

 

受入れ方法

一号特定技能外国人

「1号特定技能外国人」を受入れる場合、外国人と雇用契約を結んだ受入企業には「1号特定技能外国人支援計画」の作成・適正な実施が義務付けられています。

「1号特定技能外国人支援計画」では、特定技能人材が安定的に職業生活や日常生活、社会生活を送り、円滑に特定技能1号の活動が行えるよう以下の10項目を策定します。

  1. 事前ガイダンス
  2. 出入国する際の送迎
  3. 住居確保・生活に必要な契約支援
  4. 生活オリエンテーション
  5. 公的手続等への同行
  6. 日本語学習の機会の提供
  7. 相談・苦情への対応
  8. 日本人との交流促進
  9. 転職支援
  10. 定期的な面談・行政機関への通報

そして、「1号特定技能外国人支援計画」を行うことのできる事業所には一定の要件があり、この要件を満たしていれば自社で支援計画を実施できますが、満たしていない場合は「登録支援機関」に委託をすることになります。

以下、出入国在留管理庁資料から引用したものです。

■受入れ機関自体が満たすべき基準(支援体制関係)

① 以下のいずれかに該当すること

ア 過去2年間に中長期在留者(就労資格のみ。以下同じ。)の受入れ又は管理を適正に行った実績があ り,かつ,役職員の中から,支援責任者及び支援担当者(事業所ごとに1名以上。以下同じ。)を選任して いること(支援責任者と支援担当者は兼任可。以下同じ)

イ 役職員で過去2年間に中長期在留者の生活相談等に従事した経験を有するものの中から,支援責任 者及び支援担当者を選任していること

ウ ア又はイと同程度に支援業務を適正に実施することができる者で,役職員の中から,支援責任者及び 支援担当者を選任していること

② 外国人が十分理解できる言語で支援を実施することができる体制を有していること

③ 支援状況に係る文書を作成し,雇用契約終了日から1年以上備えて置くこと

④ 支援責任者及び支援担当者が,支援計画の中立な実施を行うことができ,かつ,欠格事由に該当しな いこと

⑤ 5年以内に支援計画に基づく支援を怠ったことがないこと

⑥ 支援責任者又は支援担当者が,外国人及びその監督をする立場にある者と定期的な面談を実施する ことができる体制を有していること

⑦ 分野に特有の基準に適合すること

* 登録支援機関に支援を全部委託する場合には満たすものとみなされる

引用:https://www.mlit.go.jp/common/001284806.pdf

また特定技能人材の受入れ企業ごとの受入れ数の上限についてですが、基本的には定められていません。

ただし、介護分野については「事業所で受け入れることができる1号特定技能外国人は,事業所単位で,日本人等の常勤介護職員の総数を上限とすること」とされていおり、建設分野では,特定技能1号の在留資格で受け入れる外国人の数と特定活動の在留資格で受け入れる外国人(外国人建設就労者)の数の合計が,受入れ機関の常勤の職員(外国人技能実習生,外国人建設就労者,1号特定技能外国人を除く。)の総数を超えないこと」と分野別運用方針において定められています。  

 

外国人建設就労者

外国人建設就労者(特定活動32号)の在留資格を持つ外国人の受入れは、国土交通省から優良な監理団体であると認められた特定監理団体の監理の下で行う必要があります。

また、受入れ企業は「適正監理計画」の認定を受けることが要件として定められているのです。  

就労可能な職種・作業

一号特定技能外国人

特定技能1号の移行対象分野は、以下の14分野です。

介護ビルクリーニング素形材産業
産業機械製造業電気電子情報関連産業建設業
造船・舶用工業自動車整備業航空業
宿泊宿泊業農業漁業
飲食料品製造業外食業 

 

特定技能1号の移行対象分野は上記の通りですが、外国人建設就労者との比較のために、建設分野で移行対象となる職種・作業についても記載します。

建設分野で移行対象となる職種・作業は、以下の22職種33作業です。

職種名作業名
さく井パーカッション式さく井工事
ロータリー式さく井工事
建築板金ダクト板金
内外装板金
冷凍空気調和機器施工冷凍空気調和機器施工
建具製作木製建具手加工
建築大工大工工事
型枠施工型枠工事
鉄筋施工鉄筋組立て
とびとび
石材施工石材加工
石張り
タイル張りタイル張り
かわらぶきかわらぶき
左官左官
配管建築配管
プラント配管
熱絶縁施工保温保冷工事
内装仕上げ施工プラチック系床仕上げ工事
カーペット系床上げ工事
鋼製下地工事
ボード仕上げ工事
カーテン工事
サッシ施工ビル用サッシ施工
防水施工シーリング防水工事
コンクリート圧送施工コンクリート圧送工事
ウエルポイント施工ウエルポイント工事
表装壁装
建設機械施工押土・整地
積込み
掘削
締固め
築炉築炉

 

その他分野の移行対象職種・作業は出入国在留管理庁の資料をご確認ください。

https://www.moj.go.jp/isa/content/930006033.pdf  

 

外国人建設就労者

外国人建設就労者(特定活動32号)の在留資格で就労が認められるのは、以下の24職種・36作業です。

職種名作業名
さく井パーカッション式さく井工事
ロータリー式さく井工事
建築板金ダクト板金作業
冷凍空気調和機器施工冷凍空気調和機器施工作業
建具製作木製建具手加工作業
建築大工大工工事作業
型枠施工型枠工事作業
鉄筋施工鉄筋組立て作業
とびとび作業
石材施工石材加工作業
石張り作業
タイル張りタイル張り作業
かわらぶきかわらぶき作業
左官左官作業
配管建築配管作業
プラント配管作業
熱絶縁施工保温保冷工事作業
内装仕上げ施工プラスチック系床仕上げ工事作業
内装仕上げ施工カーペット系床仕上げ工事作業
鋼製下地工事作業
ボード仕上げ工事作業
カーテン工事作業
サッシ施工ビル用サッシ施工作業
防水施工シーリング防水工事作業
コンクリート圧送施工コンクリート圧送工事作業
ウェルポイント施工ウェルポイント工事作業
表装壁装作業
建設機械施工押土・整地作業
積込み作業
掘削作業
締固め作業
鉄工(※)構造物鉄工作業
塗装(※)建築塗装作業
鋼橋塗装作業
溶接(※)手溶接
半自動溶接

※建設業者が実習実施機関である場合に限る  

在留期間

一号特定技能外国人

特定技能1号の在留期間は、通算で上限5年までと定められており、1年、6カ月又は4カ月ごとに在留資格の更新を行う必要があります。  

 

外国人建設就労者

外国人建設就労者の在留期間は、最大2年以内で1年ごとの更新が必要になります。

しかし、再入国者のうち、本国に帰国後の期間が1年以上の外国人に限っては最大3年以内の在留が可能です。

出典:国土交通省 外国人建設就労者受入事業について  

 

まとめ

本記事では、一号特定技能外国人と外国人建設就労者の違いについて説明させていただきました。
一号特定技能外国人と外国人建設就労者と外国人が持つ在留資格は異なり、特定技能1号と外国人建設就労者(特定活動32号)では、「受入れ方法」「就労可能な職種・作業」「在留期間」に違いがあります。
また、外国人建設就労者(特定活動32号)の在留資格での新規受入れは終了しましたが、慢性的な人手不足に悩む建設業界では外国人労働者の需要が高まっているため、建設業における一号特定技能外国人の受入れは現在も増えています。
(株)Joh Abroadの代表の福澤は、C・THE・S協同組合(監理団体)の代表理事も務めており、メインは建設業界ですが、様々な業界で外国人材を紹介させていただいております。
当組合は送り出し機関との高い連携力を誇る組合で、当組合事務所の同じビルには、送り出し機関(ベトナム)の関連企業であるアニーズ株式会社が入居しているため、連携が取りやすく、受け入れ企業様からのベトナム人人材を募集してほしいというご依頼やその他ご要望に、素早く対応できることが他にない特徴です。
外国人の受入れを検討中の企業様は、下記の問合せ欄から気軽にお問合せください。

 

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